行かれません?

「常磐道 東北道へは行かれません」

みなさんは違和感はありますか?首都高ではよく出てくる言葉使いです。

群馬生まれですが、前職は編集者のわたしには「行けません」だと思うのですが、首都高の出入り口などでは、「行かれません」の用語が使われています。

 

これは日本語文法で言うと、「行く」の未然形+可能の助動詞「れる」で、「行かれる」。

その否定で、「行かれません」。

「行ける」「行かれる」、どちらにしても、決して間違いではありませんが、皆さんはどうでしょうか?

 

現在では「行ける」の可変動詞を使って、「行ける」「行けない」と書くのが一般的だとは思います。(「行かれません」と書かれている原稿が上がってきたら、よほどの作者の意図が無い限り「行けません」に直してしまいます)

助動詞「れる」には可能・尊敬・受け身・自発の四つの用法があります。

「行かれる」は「行ける」と同じ意味の可能。 「〇〇さんが、そちらに行かれました」は尊敬語。

「赤ちゃんが抱っこされる」のは受け身。

「どんな大盛りだって食べ(ら)れる」は自発。

 

運転とは何も関係ない話ですが、 最期の「食べ(ら)れる」の「ら」をカッコにしたのは、このら抜き言葉も可変動詞ということです。

ら抜き言葉は昭和初期から使われているようです。

今では東京で大阪弁を日常で使っても違和感無いですし、いろいろな方言も堂々と話されるようになりました。

「行かれません」も、こういったものも「東京方言」として、特に何も考えずにスルーされているのでしょうか。

 

探してみると、地方には方言の標識や表示がたくさんあります。

見えにくいですが、道路に書いてある文字は「超急カーブ」。 「超・〇〇」は若者言葉でしたが、一般語になりました。

 

「気を付けろしね」は、「気を付けろ死ね」ではないです。山梨の言葉。やさしい感じですね。

「あぶなかばい」。九州です。

 

看板になっている交通標語には、方言のものがたくさんありますが、道路に直接書くものはめずらしいかも。

 

みなさんも旅行へ行ったり、実家へ帰ったときには探してみてください。 面白い標識があるかもしれません。